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院長あいさつ

ご挨拶 令和6年度を迎えて
令和6年4月
院長 後藤 一也

 国立病院機構 西別府病院のホームページをご覧いただきありがとうございます。 令和6年度の始まりにあたりご挨拶申し上げます。

 今年度も当院は、結核医療と障害者医療(重症心身障害、医療的ケア児、筋ジストロフィー、神経難病)などのセーフティーネット系医療を柱として大分県の地域医療に貢献して参ります。

 結核医療においては、令和5年度に東1病棟改修整備により結核モデル病床1室が整備され、令和6年度から結核病室10室とあわせて12床で結核患者の受け入れを行います。 これまでの2年間は、10室中2室を2床で運用しており、この間、患者さんには大変ご迷惑、ご不自由をおかけして大変申し訳ございませんでした。整備された病床で、引き続き大分県の結核医療の拠点病院としての役割を果たしていく所存です。関係機関の皆様方には引き続きご理解、ご支援のほどよろしくお願い申し上げます。

 障害者医療においては、療養介護病床220床を含む259床で入所者への療養介護サービス(障害児入所支援も含む)とともに、一般患者さんへの医療サービスの提供を続けていきます。また、在宅支援にもこれまで以上に力を入れていく方針であり、地域の医療機関、介護・福祉施設、教育機関、訪問看護ステーションなどとの更なる連携強化を図ります。関係機関の皆様方にも引き続きご理解、ご支援をお願い申し上げる次第です。在宅支援や連携の一環として、当院の多機能型事業所「ひだまり」(生活支援、放課後等デイサービス、児童発達支援)の充実や、併設する別府支援学校石垣原校と連携した療養と学びの場を提供することも行っていきます。

 上記のセーフティーネット系医療・福祉サービスに加えて、発達障害や小児慢性疾患(心身症、てんかん、小児腎臓、内分泌など)、心臓リハビリテーション、生活習慣病、睡眠時無呼吸、遺伝医療、生殖医療、スポーツ医学などの診療も引き続き行っていきます。

 一方で、入所者の方々の医療・看護度は年々高まり、院内では常時100台以上の人工呼吸器が稼働しております。医療の質の維持・向上や医療安全管理などの様々な医療ニーズに加えて、多様化する障害福祉ニーズへの対応も求められております。しかし、地域の少子高齢化や労働人口減少の問題により、現場を担う職員の確保に深刻な影響が出ています。より良い医療・福祉サービスを提供し、セーフティーネット系医療の拠点病院としての役割を果たすためには、職員ひとり一人の能力を存分に発揮できる環境作りが必要と考え、令和6年度は以下の運営方針を掲げました。
 
〖運営方針〗
より良い医療・福祉サービスを提供し、セーフティーネット系拠点病院としての役割を果たすとともに、職員ひとり一人にとってやりがいある、働きやすい病院となることをめざし、以下を重点におき、目標達成に取り組む。

  1. 働きやすい環境づくり、相談体制の充実
  2. 職員ひとり一人の専門性向上の推進
  3. 業務の効率化とチーム医療の推進
  4. 病院や職員の取り組みの院内外への発信

 このうちチーム医療の推進は、タスクシェアを進め、医療・福祉サービスの質向上に直接つながるものと考えています。医療安全、感染対策に加えて、栄養サポート、摂食嚥下、意思決定支援、骨折防止対策など当院でもニーズの高い分野をチーム医療のモデルにします。 また当院では、看護師が行う特定行為の研修について、令和 7 年度から指定研修機関として実施していく準備を進めております。開設・研修準備や研修生の育成はチーム医療推進の好事例となると思います。

 新年度オリエンテーションを通じて、当院の沿革を再確認する機会を得ました。当院の歴史の一つは、1914年(大正3年)に鳥潟恒吉氏によって別府市に設立された、当時としてはめずらしいサナトリウム呼吸器病療養所鳥潟保養院に始まります。初代院長は、自身も結核にり患し、ドイツ留学中に結核療養を経験した恒吉氏の長男 豊氏が就任しております。 110年前に療養施設を開設したお二人に畏敬の念を抱くとともに、爾来続く療養施設としての歴史を踏まえ、治し・支える医療施設としての役割の重要性を再認識したところです。

 私たちは病院の取り組みを積極的に発信していきますが、患者・家族の方々や関係機関の皆様方からのご要望やご意見に傾聴することが課題解決、サービス向上の大きな手掛かりとなります。忌憚のないご意見をお寄せください。

 今年度も宜しくお願いいたします。