小児腎臓病について
小児腎臓病について
独立行政法人国立病院機構 西別府病院 小児科 平松美佐子
■腎臓病教室を開催しています
当院では多くの小児慢性腎疾患患者さんの治療に携わってきました。今回は、小児慢性腎疾患について紹介したいと思います。
本来腎臓病は症状が出にくく、ともすれば尿の異常以外になんの症状もなく、知らないうちに進行している事があります。また、たとえ症状があったとしても見逃されるほど軽く、発見が遅れることも少なくありません。 すでに小児では学校検尿が、また成人では職場や地域の検診で尿検査が行われます。たとえば、ごく軽い血尿、蛋白尿が腎臓専門医に受診してはじめて、将来進行するむずかしい慢性腎炎や慢性腎不全である可能性が早期発見できます。同じ尿所見でも、小児期、思春期、20代から30代、40代、60代以上で考えられる疾患が違いますし、腎臓病の治療、経過が違います。 集団検尿による腎臓病の早期発見ができるようになった一方で、生理的な尿所見や軽微な尿所見までも異常として通知され、正確な情報がないままに無用に心配や混乱を来たしている場合が時々あります。また、インターネットなどともすれば一方的に氾濫するさまざまな医学情報を時に過剰にかかえ込んでしまう親御さんや患者さんもいます。また、外来での限られた診療時間では十分なお話や説明ができなかったりする場合があります。
これらの不安にお答えし、腎臓外来で投薬されている薬、検査、治療及び食事について、十分なご説明をさせていただくため、当院では平成13年より毎年秋に以下のようなプログラムを組んで「腎臓病教室」を開催しています。
(プログラムの例)
- 腎臓病と日常生活の送り方(約1時間) 腎臓専門医
- 腎臓病と食事療法(約30分) 管理栄養士
- 低蛋白食について(約15分) 栄養管理室長
- 個別相談(約30分) 全スタッフ